Test Fishing

2015 1/6 鯵ケ沢沖 漁船 初釣り 南東強いのち 突風 雨 
                   水温 10度 干潮10:04 満潮 17:39 大潮

今年の初釣りですよ〜〜〜!

天気予報は 10時頃から雨 12時過ぎから 西風が強くなる

典型的な 日本海に低気圧が張り出す天気
こんな時は 時間との勝負 雨が降り出したら すぐに終了しないと 西風に変わり
大荒れになります しつこく粘る人は 命を落とします
助けるにも 自分も危ない

天気予報は青森市を基準に書いていますので
予報より2時間早いと考えたほうが良いですよ 
青森市より 鯵ケ沢は50kmほど 西に位置していますから


朝 7時 出航

 


南東の風は 岩木山から風吹きます 南風は 白神山地から吹きますよ
そのため 鯵ケ沢は山の陰になり かなりの風でも沖に出れるのです

沖は結構波があり 風も強い 

先日から 大漁しているポイントに走ります

ベイトを探して 魚探とにらめっこ

バックトラックは前回のポイントが入っているので
まずはここから 初めます

産卵場所なら 前回のポイントに反応があるのですが
ベイトを追っていると 前回のポイントは魚が居ません

今回は 反応無し
あっちこっち探しますが 反応無し

ここで時間を費やすのはいけないので 短時間勝負ですので

大きく移動 

走っていると 良さそうな反応!!

仕掛け投入 

すぐに入れ掛かりになり

大小バラバラですが メバルが掛かります

ここで ある程度取ります

この中に 立派なメバルが 30cm 臨月メバルです
下のメバルで27cmほど



皆さんが普段釣っていて大きく感じるのは 大体25cmほど
全国的に見ても メバルは 大きい物は少ないのです
動画を見ていると 22cmくらいで大きいと騒いで居ますよ

いかに鯵ケ沢沖のメバルが大きいのが多いか分ると思います

理由がはっきりしませんでしたが
刺し網漁師と話をしてみて分りました

網がいっぱい入っているポイントは釣れないだろうな・・・
皆さん考えるでしょうね

私も そう思っていました
実はこれは間違いなのです

メバルは 根の荒い 起伏がある山のような岩礁地帯に居ます

私たちは 山の頂上の周りで釣る事が多いしこんな場所に 反応が出ます
メバルの主な餌は 小さい小魚 産卵稚魚やアカアミのようなエビ
を食べています
釣ると ちいさい白いアカアミのようなエビを吐き出します

このような魚たちは 潮が巻く海の山のような所にプランクトンが沸くので
これを食べる小さい魚が群がります

これをメバルが食べるのです


しかし こんな場所は 刺し網を掛けると すぐに根掛かりして
網が破けたり アンカーや網が引っかかり あげることが出来なくなるのです

そのため 漁師は 根に近い 比較的海底が平坦な場所に掛けるのです

根の上には 網は掛けません

しかし 網に掛かるのは 夜にメバルが 移動したときだけ

普段は 根の周りの穴や割れ目に隠れています

潮周りで腹が減ると 穴から出てきて ベイトを追うのです


釣りならば根を直撃できます

その為 網が入っていても 見たことの無いような大物がかなり居るのです

鯵ケ沢沖は 誰もメバルを釣りでは狙いません

この状態が昔から続いてい居るので メバルが大型化したのだと思いますよ
刺し網でも盛期になればかなりの数が掛かるのですから
釣りで狙えば 大物が大量に釣れるのも 分ります

古くて新しい釣りなのです

私が漁師を始めてから 今までの誰もやらないような釣りをしています

まずは イカの足ですべての魚を釣る
今まで イカの足で 釣る漁師は居ませんでした
やってはいたのですが 釣れないのでやめた これが本当の所
今でも ほとんど イソメの釣りをしている人がほとんどです

しかし イソメは高い 水揚げに追いつきません

漁師= 魚を水揚げしてお金に換えて 生活費を得る事なのです

水揚げから ガソリン代 船の維持費 仕掛けや 網などの消耗品の購入
これを引いて 残ったお金で生活費が残ります

少しでも ガソリン代の掛からないポイントで釣ること
釣るための仕掛け代餌代を節約すること

イソメや高額な仕掛けでは採算が合いません

イソメでは漁師は出来ないのです 高い仕掛けでロスが出るような仕掛けも
使えません

これらの制約の中で 釣りをしているのですよ
今一番 葛藤しているのは
メバルだけ釣って入ると 違う魚も釣りたくなるのです
ヤリイカも釣りたい アイナメも釣りたい カサゴも釣りたい

しかし ヤリイカをやると メバルがつりにくくなります

一種類の魚に絞らないといけません

我慢の連続ですよ ヤリイカもメバルも アイナメも カサゴも 同じポイントに居れば
多少は 可能性がありますが
現実には 滅多にありません

中途半端が一番いけないのです

プロ意識を持つ事が大事

おかげで11月からメバルを主に狙っていますが
漁獲が安定してきています

魚価も市場の中では トップクラスの値段ですよ

メバルの数がほとんど無いのと釣りですので 網傷がありません 鮮度も
高い これが要因 昨年の11月からは メバルをすべて活き締めしています

買う人たちも 違うな!思っているでしょう
鯵ケ沢沖で釣りで取ったメバルは きちんと処理している
これが値段に反映して来ているのかも知れません

同じ魚でも
刺し網で取る魚 底立て網や 定置網で取る魚
釣りで取る魚

値段も鮮度も全く変わります
刺し網は 夕方かけて朝に引き上げます
夕方に掛かった魚は12時間近く 死んで海中に居る事になります
網に掛かるため 傷があります

活き締めも出来ないので 値段はどうしても下がります

次は定置網など これらはほとんど活きていて 船に上げられます
鮮度は良いのですが 魚同士ぶつかったり 網に擦れたりして
傷が出来ます
意識しない限りは 活き締めをしません

甲板の上などで 魚が暴れると 身に血が回り 刺身に下ろすと
赤い刺身になります

買う方も魚の事は知っていますので
赤い身の刺身は売れない 買う方も買わない

高級魚になれば 活き締めした魚は確実なので 多少高くても
入札するのです イカやタコは血が無いので 鮮度は時間の勝負ですが
真鯛 ヒラメ 根魚などは 活き締めした魚で無いと 価値は出ません

魚の行く着く順序は 最後が お客さん 次は料理人 仲買人 市場 漁師

最後の買う人がの評価で魚の価値が変わります

お客さんが 魚を食べて 美味しい と言えば お客が増えます
料理人は お客が増えたほうが良いので 美味しいと言った魚を仕入れます

料理人は この魚が欲しいと仲買人に注文します
このときに たとえば 鯵ケ沢沖で釣りで取った活き締めをしている
漁師のメバルを入札して下さい とお願いします

仲買人は 多少高くても 注文を受けたメバルをセリで落とします
しかし メバルの数が少なく これを欲しいセリ人が増えれば
メバルは値段が高くなります

刺し網で取ったメバルがキロ1000円ならば 
活き締めした 釣りメバルはキロ1500円やこれ以上にもなるのです

手間を掛けると 最後のお客さんや料理人は分ります

お客が指定してここの市場の魚が食べたい
こんな人が増えれば 自然と値段が跳ね上がり
大間のマグロのようにブランドになります

これからは 漁師も流通を意識した魚の取り方 処理をしないと
いけない時代になります

自分がこの魚なら取ったらこんな処理をしてこの料理で食べたい
お客さんも同じなのです

私は自分が食べるときにいつもしている時に行っている事をしているだけ

せっかく取った魚を最高の状態で食べたいですからね




ある程度釣れて



西の空が黒くなり始めて
小雨になりだして

その後 南の突風が吹き出しました
怖いくらいですよ

沖に居た船も次々 帰りだし 私も 後始末もそこそこに

漁港に向かいます


雨も強くなり 11時終了




市場に持ち込み5kg水揚げ

自家消費も入れて7kgほどですね



市場の計量は持ち込んだ重量の2割ほど差し引きますので
実際は 6kgほど持ち込んでいますよ
理由は分りませんが 話によると内臓分を差し引いているような話も聞いた事が
有りますが 真偽は分りません



今度は 来週の火曜日頃出れそうです

一月前半は 毎年こんな状態の天気が続くので 大変なのです



防波堤のHFも解禁日まで23日 もう少しですよ
かなり予約も入っているので
急に 在庫ありませんか? 言われても 在庫は無いので

HFは仕掛けのロスが多いので お早目の予約お願いします