Test Fishing

2016 3/18 鯵ヶ沢沖漁船つり 南東 凪ぎ 水温8.2度 F
長潮 干潮5:58 ↑ 満潮15:18

久しぶりに朝方プラス気温になりそうです プラスになるとキャブレターが凍らないので
早めに出航できるのです
早めに漁港に向かいますよ
朝4時半漁港に到着 エンジンを掛けると アイドリングが安定しています
嬉しい
薄明かりの中 一番に漁港を出ます メバル夜明けが勝負なのです
サーチライトをつけて漁港を出ます
沖は多少ウネリがありますが 凪ぎですね



ポイント到着して 反応を探しますが 全くありません
得意ポイントにの真上に船を止めて流し釣り
すぐに当たりが出ますが 単発の 大小さまざまなメバル

朝一でこれならば 厳しい釣りになりそうです

釣れたポイントをしつこく攻めます

しかし 数が揃いません このままだと 水揚げできません

9時頃まで粘りましたが この時点で 4kgほどですが 小さい物が多いので
水揚げは無理

諦めてポイント探しに走ります

偶然 ベイトの反応があります
久しぶりの反応です もしかして仕掛けを投入
海底に着くなり ロッドは海底に着き刺さります
すぐにマークして
もう一本のロッドも下ろすと こちらも 海面に突き刺さります

巻き上げますが重くて 大変

なんと 大きいメバルが20匹 
もう一本は15匹 
どちらも25cm〜30cmがゾロゾロ

これはいけるかも!

しかし 魚を外すのも大変な作業 一匹づつ釣る釣りならば 楽ですが
私は漁師ですのでとにかく 釣れるときに大量に釣る事が出来なければ
漁師は務まりません
これがプロの釣りです

何回もベイトの真上に仕掛けを投入 重くなるまで追い食いさせて
釣り上げる このパターンが何回か続いて



クーラーに入りきらなくなり 違う40リットルにも入れますが
これも満杯



バケツにも入れて 11時半市場持込ギリギリの時間ですので
終了しました





帰ってから 1匹づつ 活きジメをして 23cm以上に選別の作業が待っています





網よりは手間は掛かりませんが
これだけの数になると
大変なのです 私たちが釣っているのはお客様に売るための商品です
最高の魚の状態にして食べてもらう事が大事なのです
これが 遊びの釣りと違う部分
一匹釣れたら 最高の状態で出荷する
セリ人も 長年魚を見てきたプロです だませません

鯵ケ沢のメバルで 活きジメをしているのは 多分私だけでしょう
同じ 釣りメバルでも 違う魚になっているはずです
この魚をセリ人が 見分けて買っているのかは解りませんが

私のメバルはエラの骨切りをしているので エラの付け根に血がにじんでいます
これをセリ人が見ているかですね

皆さん 店で魚がいくらで売っていると 話す人がいますが
同じ魚でも 取り方で値段が全く違います

釣りが一番高く その中でも 活きジメ 神経締めをしている魚が最高品です
活きジメは 生きているときに エラ付け根の骨を切ります
これは 中骨にある神経を切る事と 血を抜く事が出来て
魚の身に血が入りません 魚も神経を切ると 頭は死んでいても身体は生きている状態になります
頭の神経から身に もう死んだから身体も硬直するよと伝達します
しかし 生きているときに神経を切ると 身体に伝達できないので
身体は生きている状態になります

神経締めは中骨に平行している神経を 針金を通して 壊してします操作です
これをすると 死後硬直を遅らせる事が出来て 生きている状態の身を維持できます
 死後硬直遅れるので 刺身などにする時最高の状態で食べれます

流石にこの数のメバルを神経締めは無理なのと メバルは刺身より 煮つけや焼き物が多いので
血抜きをして身に血が入らないようにすれば 生臭身が消えて 美味しくいただけます

このほかに たて網 や 刺し網 底引き網などがありますが

比較的良いのが立て網 生きた状態で上げる事が出きますが
難点は日にちが経ってからも上げるので その間 魚は餌を取っていないので
若干身が痩せているの物あります 魚を揚げる時 魚同士がぶつかるのと
棘のある魚などが一緒に入ると 魚に傷が着く場合も有ります

次は 刺し網 大体は 夕方仕掛けて 朝に上げます
夕方掛かったものは12時間以上立つこともあり
死んだ状態で血抜き無しで 網で死んでしまいます
どうしても死ぬ時の魚のストレスと網の傷があり 
市場のセリ値も下がってしまいます

店で売っているものは 刺し網の物が多くなります
この魚でも店に並ぶと結構な値段になりますね

鮮魚の相場は回転の速い魚で 市場値段の倍の値段 1000円の魚は 
店で2000円
回転の遅い魚は セリ値3倍の値段で売っています
売れ残りもあるので 3匹のうち1匹売れればトントン 
残りは値段を下げて販売 それでも売れなければ 惣菜になります

これが 漁業の現実です
一番良いのは 漁師が直接売れれば安く最高の物が消費者に届けられますが
現実は漁師の直接販売は禁止です
漁港借り代や人件費 その他経費が掛かります
漁師が直接売りをすると 漁協に手数料が入らなくなり
漁港の県に支払うお金が無くなり 漁港に船を置く事が出来なくなります
漁師は ただで船を置けて良いなと思っている人も多いでしょうが
現実は 水揚げした魚の代金から手数料を取られて これが 支払いに回ります
多く水揚げしている人は多く払っている事になりますね

セリ人もいなければ 販売先が無くなり 魚を取っても 買ってくれる人がいません
安く買い叩かれても 我慢するしかないのが現状です

小売店でも 魚離れが続いており
皆さんが いくらで魚が売っていたと言いますが それは店側の希望の値段であり

それが売れれば良いですが 売れなければ大赤字になります
魚の値段は 売れた値段ではなく あくまで 希望値段にしかなりません

しかし 回転寿司は人が多く入っています
魚が嫌いなわけではありません 
これからの漁業は 取る時から何の料理に使うのかを考えて
まずは活きジメをする これをすると どんな魚でも刺身ができます
高級な大きな魚は 神経締めもする
まずは 刺身が出来る状態に漁師が手をかける事が大事
売るときも 活きジメをしたのか 神経締めをしたのか どんな漁法で取ったのか
ここまで消費者に教える必要があるのかも知れません

取り方と処理の仕方で買うほうも値段を替えることも出来ます

現状では ほとんど どんな取り方 処理をしても ひとまとめにされており
難しいのが現状です

漁港で作業をして 1時間近く掛かりましたよ 大変です 腰が痛い

魚を綺麗に洗い 大きさを選別して
自家消費分が 4kg 持込が36kg 重さが2割引かれますので
納品書は30kg それでも 一番値段の高いサイズが7割ありました

大きいメバルは値段が一気に下がりますね 大きいメバルはお金になりません
一番良いのは 25cm〜28cmまで これ以上でも 以下でも値段が下がります

この大きさが料理人が一番使い安く 味も良いのです

釣り人は大きいサイズを好みますが
食べることになれば別物ですよ
市場で値段が高くなるくサイズがあり
真鯛は 50cm〜65cm
ヒラメ 50cm〜60cm
人間で言えば20歳から40歳くらいと思えば良いでしょう
 前に 105cmのヒラメを水揚げしました なんと1kg500円 13kg
6500円でした これから2割手数料を引かれ 手元には
5000円ほど 考えられないでしょう
65cmのヒラメは1kg2000円 5月の連休前でしたの相場は高い
3kgでした 
ほとんど同じ値段になりました

 みんなが獲れる時は 相場は下がります
みんなが取れないときに獲る技術が必要になるのが漁師です
みんなが取れるときは 人より多く獲り
これが出来ないと漁師は務まりません

当分天気が悪そうですね 

 早く出航したいです 今度はもっと釣りたいです