Test Fishing

2016 4/25 鯵ヶ沢沖 漁船釣り ベタ凪ぎ 水温10.8度 C→A
中潮 満潮6:22 干潮10:40

今日は凪ぎの予定です メバル釣りは凪が釣りやすい
朝4時出航 車には霜が降りていました

暗い中、防波堤を抜けて沖に向かいます
ポイントに着くと地平線から太陽が昇り始めて 海に輝きを放ちます
今日も大漁で有りますように 手を合わせる



魚探で反応を探しますが いつものポイント以外の場所は 全く反応がありません
得意のポイントに船を走らせ 魚探を見入る

画面には海底の地形だけが変化も無く映し出され
「今日もだめか!」脳裏をよぎる

そのとき!
海底から離れた巨大な反応が真っ赤に映し出され 
急かされる様に 仕掛けを投入する
反応の中に仕掛けが吸い困れると 同時に 
竿先が水面に突き刺さる
心で落ち着きを払うようになだめるが
やはり 心臓の鼓動が激しく打つ
漁師をしていて この瞬間が生きがいを感じるのである

追い食いをさせ 竿先に引き込みが無くなり
これが巻き上げのサイン
ロッドを持ち上げると 根掛かりのように 重く巻き上げられない
少しずつでは有るが 上がってくる
何回も何回もロッドを持ち上げ 巻き取る
海中に光る物が見え始めると
始めて 釣った!と感じる
針には20匹のメバルが付いていた
大きいサイズが多く 最大の物は33cmはありそうだ!

メバルを慎重に抜き上げ 甲板に並べる

至極の瞬間である

このあとも 反応を見つけると 次々ヒット

朝のゴールデンタイムも終わり 潮が止まる 満潮だ
魚は餌を食べるのを忘れたように 静かな時間が流れる
こんな時は漁師も一休み

潮が動き始めると また食いが立つ

しかし 今回の引き込みは 違う!
海中に見えたものは 長い魚
ホッケ鈴なり 
春の風物詩 根ホッケである

10匹以上着いていたが 抜き上げの時何匹が外れる
大きいのは45cmほどあり 
美味しさのサイン お腹がオレンジ色に彩られている
魚の身が脂を纏っており
最高のホッケである

メバル釣りも何度も同じ群れを釣るが 回数が増えるに釣れて
段々 数も少なくなり 大物も釣れなくなる
こうなると もうだめで 違う群れを探す事になるのである

ノルマは達成した 久しぶりに少し離れたポイントに走ることにする
深場をユックリ 舐めるように 船を走らせるが
魚探には単調な画像だけが流れる
結局反応があったのは GPSに打ち込んであるポイントだけ
3kmも走り この間小さい反応すらないのである
これが 鯵ケ沢沖の今の時期の実情なのである
釣果報告を見て 鯵ヶ沢沖はメバルがたくさん釣れる 釣り人は能天気であるが
現実は 難しく ベテラン漁師も今の時期 メバル釣りは止めている
値段が上がる今の時期に狙わないのは
釣れないからである
釣れれば金になるのだから やるのだが 
そのくらい 今の時期 メバル釣りは 難しいのである
いかに 多くのポイントを知っているか
水温が上がる今の時期は どこにメバルが居るのかが分らなければ
一匹も釣れない事もある

10時過ぎノルマも達成したし 
今の時期は この時間になると 突風が吹き始める
自然を相手にする仕事は 欲を止められるかが とても大事
明日も沖に出れるから 今日は止めよう
心の余裕が 安全と釣果をもたらせてくれる



漁港に戻り 魚の選別作業 
結構な時間が掛かります
一匹ずつエラの付け根の骨をナイフで切り
魚の身体を折り曲げると エラから血がにじむ
この方法だと死んだ魚も血抜きが出来る
魚の鮮度を下げるのは 身の中に血が入ること 
血が入らなければ 最高の状態が保たれるのである



市場に魚を持ち込むが 釣りのメバルは見当たらない
釣り仲間はメバルをやめたようだ
秤に載せられ検量が始まる

今日は最高値段が付く大きさが14kg 
なぜか33cmのメバルが一匹はじかれている

「今日は大きいメバルがこれしかない 持ち帰ってくれ」職員が話す
大きいメバルはこんなものである

今日は全体で20kg サイズもよく気持ちの良い釣りだった
漁師は面白い仕事だと思う

僚船の漁師の爺様が ミズクサカレイを網から外している
大きい根ホッケをおすそ分け
市場から弾かれた カレイが大量にある
良さそうなカレイを数匹もらう
 その時期の美味しい魚をみんなで取替え食卓に並ぶ

漁師は口が肥えている
最高に美味いイワシと最高に不味い真鯛
真鯛は高級だが 不味い真鯛はイワシと取り替えることも出来ないのである
漁師の基準は お金ではなく 旬の美味いものが 価値があるのである

今日も我が家には旬の魚が並ぶ
毎日のようにメバルの刺身を食べている我が家の奥様は
最近 お肌の張りが違う
コラーゲンたっぷりのメバルを食べているからだと思う
メバルの主食は エビや蟹
これらの餌のエキスがメバルの刺身には含まれている

魚料理は安全で健康に最高の食材である
最高の海に 最高の山々 最高の川 これらが生み出した環境で
育つ魚たちが不味いわけが無い

これが鯵ケ沢の海である